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古代・中世帳合法の研究

安藤 英義 監修
田中 孝治 著


第1刷発行日2023/09/30
判型A5判
ページ数352ページ
本体価格6,000円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2197-7
内容
 本書は時間軸に沿った内容になっている。時代区分でいうと第1章と第3章が古代、第2章は古代から中世さらに現在まで続く。第4章、第5章は中世、第6章と第7章は前近代で東アジア諸国をも包含した。

目次
第1部 我国固有会計の発達史
第1章 我国古代の初期荘園会計
 1 はじめに
 2 初期荘園性における決算報告制度
  2.1 「桑原庄券」
  2.2 「桑原庄券」と「産業(所)帳」
  2.3 「桑原庄券」と粉飾
 3 「桑原庄券」と中世荘園の年貢散用状と、検注帳並びに租帳・青苗簿帳
 4 おわりに

第2章 我国古来の受託責任(会計責任)概念
 1 はじめに
 2 我国古来の「責任」概念
  2.1 東西の責任思想
  2.2 我国古代の責任思想と、聖徳太子の「十七条の憲法」
 3 我国古代における会計報告と不正
 4 我国古代律令制における会計責任
 5 おわりに

第3章 調庸帳と我国古代の決算報告制度
    ―調庸帳と勘会と風土記の関係性―
 1 はじめに
 2 調庸帳とは
  2.1 「摂津国調帳案」と「常陸国調帳の漆紙文書」
   2.1.1 攝津國調帳案
   2.1.2 常陸国調帳の一部の漆紙文書
  2.2 神亀六年(729)志摩国輸庸帳
 3 調庸の収納過程と調庸帳の勘会
 4 風土記と決算報告制度
 5 おわりに

第4章 室町期の東寺における荘園と寺院の会計
 1 はじめに
 2 矢野荘の散用状
  2.1 矢野荘の東寺支配と散用状
  2.2 矢野荘における散用状の作成過程と未進徴符
   2.2.1 散用状の作成過程と「目録」
   2.2.2 散用状と未進徴符
   2.2.3 未進年貢散用状
   2.2.4 未進の処理
  2.3 中世荘園の散用状と決算報告
 3 東寺における寺内算用状
  3.1 五方算用状とその周辺
   3.1.1 五方算用状
   3.1.2 十分一方算用状
   3.1.3 浮足方算用状
  3.2 光明講方算用状
 4 おわりに

第5章 室町時代の禅宗寺院の会計
    ―東班衆と百丈清規を手掛かりとして―
 1 はじめに
 2 東班衆と経済活動
  2.1 東班衆とは
  2.2 東班衆の働き
   2.2.1 圭室諦成による指摘
   2.2.2 櫻井景雄による指摘
   2.2.3 藤岡大拙による指摘
   2.2.4 今谷明による指摘
   2.2.5 川本慎自による指摘
 3 百丈清規
  3.1 百丈清規則と諸清規の伝来と流布
  3.2 『勅修百丈清規』と会計規定
  3.3 『禅苑清規』と会計規定
 4 おわりに

第2部 前近代の東アジアと我国帳合法
第6章 東亜同文書院と清代末の中国固有の簿記
 1 はじめに
 2 東亜同文書院と中国大旅行
  2.1 東亜同文書院
  2.2 中国大旅行と『支那經濟全書』
 3 『清國商業綜覽』と『支那經濟全書』
  3.1 『清國商業綜覽』
   3.1.1 『清國商業綜覽』以前の中国固有の簿記についての研究
   3.1.2 『清國商業綜覽』における中国固有の簿記についての研究
  3.2 『支那經濟全書』における中国固有の簿記についての記述
 4 東亜同文書院とその後の中国固有の簿記研究
 5 おわりに

第7章 前近代における東アジア諸国の固有簿記
 1 はじめに
 2 朝鮮固有簿記の研究史
 3 朝鮮固有簿記の帳簿組織
 4 中国固有簿記の帳簿組織
 5 我国固有簿記の帳簿組織
 6 おわりに

引用文献
索引
あとがき